ヴェニタスを追いかけて
友達宅で夕ご飯会の後。ワイン好きの友人(FK)と一緒に帰りの支度をして駅へ向かった。4駅くらい、同じ方向だった。
(FK)「最近のファッションはつまらない。ベーシックな服ばかり作るし」
「今面白いブランドはこれとこれとこれ!!」
普段ほとんどファッションの話をしない(FK)が、ワインの度数よりも熱く、一生懸命に語っていた。それは今のファッションや社会情勢にとって退廃的な考えではある。でも、たまたまか必然かはわからないが、「現代の女性の思い」にぐっと当てはまっている気がした。自分の想像できる範囲の女性の権利とか多様性とかを礼賛するような世の中で秩序を保ったような見せかけをスパッとキリさくようなかんじ。、
(以下、私個人の考察)現代の女性服は、多種多様な理想像になれるぶん単価が安く、二次流通(リサイクルショップ、オークション)でも男性服に比べて安い価格にとどまる。だから必然的に、ベーシックで単価の高い男性服のデザインに力を入れるブランドが増える。そんな女性の服好きの行き止まりと憤りを、颯爽と解決してくれるのが(FK)のブランドだ。「私これ着るんで!こっちの方が魅力的でしょ?」とゆるふわな社会に代弁してくれるような、奇抜だけど着た女性の魅力を最高に引き出してくれる服。それを見た男性は、多分「来世は女の子になりたいな」と言い始めるくらいだ。
ヴェニタスを追いかけて
夏)湿気でムンムンとしている。時たま風が吹いてほんの気持ちばかり涼しくなる。
8階までの階段を登り降りしながら(FK)と藝祭で作品を鑑賞した。日本画の階に飾られた大きく描かれた現代少女らしき絵が印象的だった。規定の多い日本画というジャンルで、一瞬で消えてしまいそうな、「儚げな」少女が描かれている。描いてあったのは人物だがどこか静物画を思わせる要素を含んでいた。
そんな画を見ているとふと思い出して(FK)に伝えた
私「ヴェニタスという言葉を知ってる?」
(FK)「ん?」
私「静物画。何かを総称して使う言葉なんじゃけど、(FK)の服に近い感覚があるかも」
「儚い」そんな言葉で片付けてしまうのは勿体無いのだけれど、一言で言うならその単語が一番近い。「ヴェニタス」はイギリスデザイナーのアレキサンダーマックイーンを彷彿とさせるような絵画を指していることが多い。
読んでみたい本。「甦るヴェニタス」
